本シリーズは、事業承継センター取締役・東條裕一が、経営者から聞いた言葉と、経営者として伝えたい言葉を書き留めた「勇気をもらう経営者の言葉」を、一言ずつコラムとして再構成したものです。志や覚悟、そして勇気を、後継者のみなさんと分かち合えればと思います。
組織とは、結局は役割分担である
なぜ、この言葉なのか
組織とは何かを、あらためて考えてみます。何のために組織があるのか、どうして組織はつくられるのか。
それは、一人ではできない仕事、大きな仕事をこなすためです。こんなことをしたい、あんなことをしたい、でも一人ではできないから、人が集まり組織ができます。
目的が変われば、組織も変わる
ということは、組織とは、みんなの目的を役割分担して仕事をするものです。結局は、目的、目標をやり遂げるための役割分担にほかなりません。組織図や肩書きは、あくまでその手段にすぎないということです。組織そのものが目的になってしまっては、本末転倒です。
しかし最近では、人のために組織をつくったり、もともとあるからという理由で同じ組織をずっと続けていたりする場面を目にします。目的から逆算して組織をつくるのではなく、既にある組織に、人や仕事を当てはめているような状態です。
本来であれば、経営環境が変われば、目指すべき姿も変わっているはずです。であれば、役割分担も変化するはずです。市場が変わり、お客様のニーズが変わり、競合の状況が変われば、それに合わせて会社が果たすべき役割も変わっていきます。組織だけが、昔のままの形で取り残されてしまうことがあってはなりません。
もう一度、組織を見直してみてください。経営者が目指すこと、やりたいことを、ちゃんと役割分担できている組織になっているでしょうか。「組織は戦略に従う」という言葉があるとおり、目的や目標が変われば、組織も変化していくものです。求められる役割分担も、変わってくるものです。
組織の形そのものを守らない
今の組織が、今の目的や目標に照らして、本当に理にかなっているかどうかは、一度立ち止まって確かめる価値があります。守るべきは組織の形そのものではなく、組織がなぜつくられたのかという、その原点にあるからです。形をそのまま守ることと、組織をつくった目的を守ることは、同じではありません。
組織図を変えることは、簡単なことではありません。しかし、目的が変わっているのに組織だけが昔のままであれば、いずれその歪みは、仕事のやりにくさとなって現れてきます。
後継者のあなたへ
会社が目指す姿から、もう一度、役割分担を描き直してみてください。
組織は、目的を実現するための道具です。目的が変われば、道具の形も変わっていいはずです。
今の組織図は、誰かのためにそのまま残っているだけの組織になっていないでしょうか。
本記事は、事業承継センター取締役・東條裕一の原稿「勇気をもらう経営者の言葉」をもとに構成しています。