事業承継の資金計画を立てるとき、多くの経営者・後継者は「今使える補助金は何か」から探し始めます。しかし補助金は年度ごとに新設・終了・要件変更が起こり、公募期間も限られています。特定の制度名や金額を覚えていても、実際に必要になった時点では内容が変わっている、あるいは公募自体が終わっていることも珍しくありません。

このコラムでは個別の補助金名・金額・締切には触れず、「その時点で使える公的支援に、どこを見ればたどり着けるか」という探し方と確認の手順を整理します。

国の補助金情報は、まずこの二つを確認する

国が実施する中小企業向け補助金の多くは、デジタル庁が運営する電子申請システム「Jグランツ」を通じて公募・申請の手続きが行われています。Jグランツの公式サイトでは、キーワードから目的の補助金を検索でき、申請後はマイページから交付までの状況を確認できると案内されています。利用には「GビズID」というアカウントの取得が必要で、法人等の代表者用の「GビズIDプライム」と、代表者が許可した従業員用の「GビズIDメンバー」の2種類が用意されています。

もう一つの入口が、中小企業庁公式サイトの「補助金の公募・採択」ページです。ここには公募中・公募予定の補助金が随時掲載されており、国の中小企業向け補助金の公式な一覧として確認できます。

いずれのサイトも、対象となる公募が今ちょうど動いていなければ、該当する情報は表示されません。「今は当てはまる制度が見当たらない」ということ自体が一つの結果であり、次回公募の時期を待つか、他の支援策を検討する材料になります。

自治体独自の支援は、横断検索できるサイトを使う

都道府県や市区町村が独自に実施する補助金・助成金は、各自治体のサイトに個別に掲載されており、国の制度以上に網羅的に把握しづらいのが実情です。この点では、中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する中小企業支援サイト「J-Net21」内の「支援情報ヘッドライン」が参考になります。同ページは、企業経営や創業に役立つ国・都道府県の支援情報(補助金・助成金、セミナー・イベントなど)をまとめて検索できるサイトとして案内されており、都道府県・地域ごとに支援情報を絞り込める仕組みが用意されています。自社の所在地に関する情報を定期的に確認する窓口として活用できます。

補助金だけでなく、相談窓口も選択肢に入れる

補助金・助成金は、事業承継の計画そのものと結びついて初めて効果を発揮します。「使える補助金を先に探す」のではなく、事業承継全体の課題を相談できる公的窓口を先に押さえておく方法もあります。国が全国に設置している「事業承継・引継ぎ支援センター」は、事業承継に関する相談を無料・秘密厳守で受け付けており、外部専門家による事業承継計画の策定支援など、公的支援の活用も含めた相談先として案内されています(詳しくは本サイトの別コラムでも紹介しています)。

なお、補助金は公募要領に定められた要件を満たした上で審査を経て採択されるものであり、申請すれば必ず受けられるものではありません。応募を検討する際は、必ず公募要領そのものを確認し、不採択となる可能性も踏まえて資金計画を立てることが必要です。

次の一歩

本サイトの公的支援・補助金情報では、公式一次資料と照合した補助金情報を掲載しています。まずはご自身の事業に関係しそうな制度があるか確認してみてください。事業承継税制の適用期限など税務面から整理したい場合は税制期限特集を、承継の進め方全体を専門家に相談したい場合は無料相談をご利用ください。ご自身の承継準備がどの段階にあるかを確認したい方は承継準備度チェックもあわせてご活用ください。

参考(一次資料)